内村鑑三「重き荷を背負うて牛車を引く」ブロガーに刺さる名言②

内村鑑三「人生の大部分はドラッジャリーだ。重き荷を負って牛車を強く引かねばならぬ」

毎週月曜日のブロガーに刺さる名言シリーズ。
第二回は、戦前の日本を代表するキリスト教学者「内村鑑三」の言葉です。

内村鑑三

内村鑑三
(1861~1930)


その主著『代表的日本人』はあまりにも有名ですが、実はキリスト教者として多くの人生哲学に関する研究を残しています。

その中でも、私が特に好きなのが今回の名言です。

ドラッジャリー=苦役・単純作業

人生の大部分はドラッジャリーである。
重荷を背負って牛車を強く引かねばならぬ。

ドラッジャリー(Drudgery)とは、「退屈な重労働、単調でつまらない仕事、苦役」を意味する英単語。

人生の99%はドラッジャリーで出来ており、本当に楽しい、有意義、価値があると思えるものは1%くらいしか無いと言うことですね。

内村鑑三のこの言葉は、その教え子である作家・石原兵永(いしはら ひょうえい)との会話で出たものです。

石原兵永と内村鑑三

石原兵永は、学生時代から内村鑑三に師事した作家・キリスト教伝道師です。

戦前の日本の多くの学生と同じ様に、石原は「教育」について高い理想を持ち、師範学校を卒業して東京の小学校に勤務します。

しかし、そこで石原を待っていた日々の仕事は、あまりにも無意味な雑務の連続でした。

こんなはずではなかった。
もっと精神的な高尚な有意義な仕事がしたい。
今の仕事は時間とエネルギーの浪費にすぎない。
石原兵永
石原兵永

憧れた仕事の現実に失望した石原は、恩師である内村鑑三を訪ねます。

石原兵永
石原兵永
先生、お久しぶりです。
おお石原くん、久しぶりだな。
何の用かね?
内村鑑三
内村鑑三
石原兵永
石原兵永
学校に勤めても、つまらぬ仕事や雑用に自分の時間と全精力を用いるのは、もったいないような気がするのですが。
それは君が誤っている。
人生の大部分はドラッジャリーである。
重荷を負って牛車を強く引かねばならぬ。

もし君がそれに耐えられないのならば、君はどこへ行っても役に立たぬ。

内村鑑三
内村鑑三
その仕事を君がやらないのならば、君はその仕事について論じる資格がないのだ。
かく牛車を引いて得た自由でなければ尊くないのだ。

今の時からそんな事を言うのは、少し生意気だ。

内村鑑三
内村鑑三

この会話について記した著書『身近に接した内村鑑三』の中で、石原兵永は次のように振り返っています。

内容もない言葉だけの自由や真理などを叫んでいい気になっている私の虚栄心に対する、実に強烈な鉄槌であった。
石原兵永
石原兵永

有名ブロガーもドラッジャリーを積み上げている

こういう”古臭い説教”は、今の時代では敬遠されがちです。

また、「自由のないサラリーマンなんてさっさと辞めて副業で稼ごう!」という風潮の中では、ボロクソに叩かれるかも知れません。

しかし、それでも

人生の大部分はドラッジャリーだ

という点は、否応なしに認めざるを得ない事実です。

皆が憧れているカリスマブロガー、スーパーアフィリエイターの方々も、我々が目にする華やかな部分は彼らの人生の中のほんの一部に過ぎません。

それだけの地位、成功を勝ち取るために、実は「途方も無いほどのドラッジャリー」を積み重ねてきているのです。

ブログだけで月100万円稼いで、遊んでいても収入が入る夢のような生活。

ここだけ見れば「楽して稼いでる」ように見えますが、実はそんな生活も99%のドラッジャリーに支えられていると誰も想像出来ないのです。
tetsuya
tetsuya

私の師匠でもあるスーパーアフィリエイターも、いざ本気で勉強するときは「月曜の朝から金曜の夜まで布団に入らなかった」という程のドラッジャリーを積み重ねて来ています。

内村鑑三も、世の人が成功者のドラッジャリーを理解していないことを、皮肉めいた口調で表現しています。

世にいわゆる大先生・大思想家・世界的偉人の仕事がほとんど雑務であることを誰も知らない。
内村鑑三
内村鑑三

夢のような生活をしているあの人も、他人から見えているのは人生の1%
99%のドラッジャリーなくして1%の栄光は掴めないということですね。

内村鑑三について

石原兵永が内村鑑三の言葉に大きな感銘を受けたのは、石原自身が誰よりもそばで内村鑑三の人生を見てきたからでしょう。

つまり、内村鑑三の人生は99%がドラッジャリーであることを誰よりも知っていたからこそ、石原にとっては強烈な説得力を持って響いたのです。

作家時代の内村鑑三

1893年頃の内村


内村鑑三は、大学に通って日本の将来を担う「学士様」が超特権階級であった明治14年に、北海道大学の前身である札幌農学校を主席で卒業し、明治政府の国費でアメリカに留学してアマースト大学を卒業したスーパーエリートです。

まさに秀才中の秀才。

当時の日本にあれば、黙っていても、、
いや、黙ってさえいれば上級国民エリートコースを歩めるはずの立場でした。

しかし内村は自分の信念を一切曲げること無く、日露戦争反対、足尾銅山鉱毒事件における政府への糾弾などの反政府的言動を繰り返し、弾圧や冷遇に耐える人生をおくりながらも、多くの人の尊敬を集めた「ドラッジャリーの人」です。

そんな内村鑑三の言葉を、最後にもう一つ紹介します。

批評されるものになれ。
批評するものになるな。

3年を持たずに消える批評には応える必要がない。

自分の自由な人生を生きるなら、絶対忘れたくない言葉ですね。

内村鑑三の名著『代表的日本人』は、日本人ならぜひ読んでおきたい一冊です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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