一条工務店で注文住宅を建てるメリット・デメリットを解説します。
最終的に一条工務店を選んだ私が書く記事なので、多少の贔屓目もありますが、これから一条工務店を検討する方には参考になると思います。
私が各ハウスメーカーを周って吟味し、決断するまでに至った材料をまとめました。
参照:一条工務店公式サイト
目次
一条工務店のデメリット:自由度が低い
- 間取りは45cmずつ
- 外壁はほぼ一種類・5色のみ
- 窓の種類は非常に少ない
「一条は注文住宅じゃない」
「一条の家はみんな同じ。一目でわかる」
と陰口を叩かれる、最大の理由がこれです。
一条工務店の凄いところは、単に高気密高断熱の高性能な家を作れるだけではありません。
高気密を得意とする地元工務店などでも、高性能な家を作る会社はたくさんあります。
一条工務店の凄いところは、そんな高断熱高気密の家を全国展開して年間1万棟以上も低コストで量産するところです。
この安定した量産体制こそが一条工務店の最大の強みであり、そのために犠牲になったのが「家づくりの自由度」なのです。
間取りは45cmずつ
一条工務店で打ち合わせをしていると、施主に立ちはだかるのがいわゆる「一条ルール」
注文住宅でありながら、一条工務店の強みである量産性と性能を損なわないために、間取り上の成約が様々あるのです。
そして工場での量産体制だからこそ自由度が低く、間取りは基本的に「1マス(90cm四方)」単位で設計します。
そして動かせるのは、0.5マス単位。
つまり45cm単位でしか動かせません。
「この廊下を30cm広くしたい」とか「この90cmの隙間は隣部屋と30cmと60cmで分割したい」などは一切できません。
最初からそういうルールだと受け入れて考えれば悪くないですが、数cm単位でも動かせる他社の前提で間取りを考えていると、不便さを感じそうですね。
外壁はほぼ一種類・5色のみ
一条工務店の施主は、大半が看板商品である「iSmart」や「グランセゾン」で建築します。
これらは一条工務店の規格住宅のようなもので、外壁はタイルパネルです。
このタイルパネルも種類が少なく、タイルのパターンは1種類のみ。
色は白、黒、ブラウン、ピンク、オレンジの5色しかありません。
ツートンカラーまでは無料とはいえ、あまりにも選択肢が少ないですね。
だから「一条の家は一目でわかる」と言われてしまうのでしょう。
窓の種類は非常に少ない
高断熱高気密住宅を作るにあたって、最も障害となるのは「窓」です。
このため一条工務店では、寒冷地以外ではオーバースペックとさえ言われるトリプル樹脂サッシを採用しています。
防犯ガラスとしての性能も持つ高性能な窓サッシは種類が非常に少なく、他社製の窓なども基本的には採用できません。
窓のカタログを渡されて「え?これだけ?」と思う施主も少なくないでしょう。
特に窓で外観のおしゃれさなどを演出したい方には、大きな不満になると思います。
一条工務店のメリット:コスパ最強の高性能
- 床暖房・高断熱高気密が標準
- 窓はトリプルサッシ防犯ガラスが標準
- 第一種熱交換換気も標準
- 太陽光パネルと蓄電池が自社開発で安い
- 外壁がタイルパネルでほぼメンテナンスフリー
「家は性能。」
このキャッチフレーズの通り、一条工務店の最大のメリットは「高性能でコスパが高い」ことですね。
単に高性能な家を求めるなら、お金をかければいくらでも出来るでしょう。
その高性能な家を、庶民でも手が届く低コストで作れるから凄いのです。
実際我が家も、はじめて一条工務店の営業マンから話を聞いたとき「低コストで高性能なメーカー」という第一印象を持ちました。
そしてその他のメーカーを周ったり、実際に宿泊体験などもしてみたりした中で「やっぱり性能が一番」と考えて、一条工務店を選んだのです。
床暖房・高断熱高気密が標準
うちの妻は極度の寒がりです。
新婚の時に住んだ安いアパートは断熱性がかなりしょぼくて、毎年冬にはかわいそうなくらい寒がっていました。
そんな経験があるから、マイホームを建てるなら「暖かい家」を第一に考えていたのです。
一条工務店では、全館床暖房が標準仕様。
もちろん高気密高断熱も標準仕様ですから、冬は床暖房だけで家中が暖かい家を実現できます。
人がいない部屋も床暖房しているのは無駄遣いと思うかも知れませんが、高気密高断熱の家は家全体が「一つの部屋」のようなイメージになるので、
寒いところと暖かいところを作るより、全体で均一な温度を保つほうが遥かに省エネなのです。
もちろん家の中で温度差が無い方が、ヒートショックの予防など健康面でも大きなメリットがあります。
窓はトリプルサッシ防犯ガラスが標準
先述の通り、一条工務店は窓の性能にも非常にこだわっています。
寒冷地以外ではオーバースペックのトリプルサッシ樹脂サッシが標準仕様。
そしてこの窓は防犯ガラスの役割も果たしており、実際に私がショールームでハンマーで叩かせてもらってもヒビ一つ入りませんでした。
高気密高断熱の面でも、防犯の面でもガラスが強いと安心感があります。
第一種熱交換換気も標準
2003年より一戸建て住宅には換気装置の設置が義務付けられましたが、この換気装置には「第一種」~「第三種」まであります。
簡単に言うと、吸気と排気を機械で行うか、自然に任せるかの違いですが、一条工務店では吸気も排気も機械で自動的に行う「第一種換気」を標準仕様としています。
言うまでもなく、自然の空気の流れに任せるより、機械で強制的に換気するほうが換気量が多く健康的です。
さらに一条工務店では、「ロスガード90」などの独自開発の装置を使い、熱交換換気も標準仕様となっています。
逆に寒い季節には、冷たい外気を家に入れず、温まった空気を外に出さないことです。
ただの換気ではなく、高気密高断熱のメリットを損なわない換気。
機械ばかりで電気代がかかると思いきや、結局常時稼働の装置で快適状態を維持し続けるほうが、エアコンや除湿機などをフル稼働させるよりよっぽど省エネなのです。
太陽光パネルと蓄電池が自社開発で安い
一条工務店はオール電化が標準仕様ですが、もちろんガス併用も選べます。
そして一条施主の約8割以上が採用するという、太陽光パネル。
一条工務店は太陽光パネル設置の戸建住宅建設数が世界一多く、ギネス認定されているそうです。
なぜ一条施主は太陽光を乗せるのかというと、一条工務店は太陽光パネルも自社工場で作っており、価格がめちゃくちゃ安いからです。
近年は売電価格もどんどん下がってきて、売電で収益を出すのは難しくなった代わりに、ソーラーの電力を自家消費して電気代を抑える家庭が増えています。
自家消費するなら蓄電池も必須ですが、一条工務店では太陽光パネルと蓄電池のセットが標準仕様となっています。
延床30坪程度の我が家でも、太陽光パネルと蓄電池のセットで150万ほど。
破格の値段だと思います。
元々はアンチソーラー気味だった私も、これなら付けたいと思えました。
外壁がタイルパネルでほぼメンテナンスフリー
実は私は以前外壁塗装の会社に勤めていたため、外壁のメンテナンス性にはそれなりのこだわりがあります。
延床30坪程度の家ですと、10~15年単位の塗替えで100万円程度はかかってくるでしょう。
(もちろん材料によっては何倍にもなります。)
だから自分で家を建てる時は、絶対に塗り替え不要の外壁にしようと思っていました。
とはいえ塗り替えがいらないタイルやレンガの外壁は、家自体が重くなって耐震性が下がったり、タイルがひび割れたり脱落して見た目が悪くなったりという問題があります。
その点一条工務店の外壁は、タイルをサイディングボードのようにパネル化して外壁に貼り付けるものですので、軽量化しつつも耐久性は十分に維持し、メンテナンスといえばパネル間の目地修復だけで済みます。
家の外壁は汚れてくると本当に無惨ですし、そういう家は塗り替えの営業が引っ切り無しにやってきてストレスが貯まると思います。
外壁のメンテナンスフリーは、長期的に見て非常にコスパの良い投資ですね。
まとめ
- 「家は性能。」外観云々より住みやすさこそ正義。
- できるだけ低コストで高性能な家に住みたい
- 自由すぎても選べないから、ある程度決まった中から選びたい
- 注文住宅なんだから事細かにこだわりたい
- 外観のデザインは超重要。絶対こだわりたい
私も家の外観に全くこだわらない訳ではなく、それなりにカッコいい家に住みたいとは思っています。
そのため一条工務店の自由度の低さには最初戸惑いましたが、やっぱり性能とコスパの良さに惹かれて選びました。
そしていざ決まってしまうと、逆に選択肢の少なさがメリットになってくるんですね。
知人は窓一つ決めるにも、百科事典のような分厚いカタログを渡されて「この中から選んでください」と言われるのが続き、途中で嫌になりかけたと言っていましたから笑
一条と一目でわかる外壁も、見続けているとだんだん愛着が湧いてくるものです。
もちろん好みは人それぞれでしょうが、これから検討される方の参考になれば幸いでございます。
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