選択的夫婦別姓のデメリットと反対する理由その②

夫婦別姓に反対する理由②

選択的夫婦別姓に反対する理由の記事を書きましたが、それからしばらくして自分の考えがまた新たに固まったので第二弾を書きます。

第一弾の方は、こちらの記事をご覧ください。

前回の記事にも多くのコメントを頂きましたが、イマイチ「夫婦別姓にすると社会全体にどんな悪いこと(デメリット)が起こるのか?」が伝わりにくい気がするので、この記事ではその点を掘り下げようと思います。

夫婦別姓は改姓に伴う不便不都合の解消手段にならない

この点は前回の記事でも軽く触れているところです。
夫婦別姓を推進する理由として、「名字が変わると主に仕事上での不都合、不便などがある」という声が大きくあります。しかしこのような不便不都合の解消手段として、選択的夫婦別姓は全く無意味です。

理由は単純で、数々の世論調査で「自分は夫婦別姓はしない」と答える人が圧倒的に多いからです。つまりそんな制度は利用しない人の方が多いのだから、不便不都合の解消手段として夫婦別姓は望まれていないという事。

多くの人は、多少の不便不都合がある事は知りながら、それでも夫婦別姓にはしない。と言っている訳です。

しかしそれでも、「私は不便不都合を許容できないから夫婦別姓にさせてほしい」という人がいます。
こういう方には、どう対応するべきでしょうか?

不便不都合そのものを解消するしか無い

簡単な話です。
「改姓すると不便不都合がある」⇒「じゃあ改姓しなきゃ良いじゃん」ではなく、改姓に伴う不便不都合を可能な限り解消する方向に議論を進めれば良いのです。

この方法の一つに「旧姓使用の拡大」があり、これを最も推進してきたのが安倍政権下の高市早苗総務大臣でした。
しかし個人的には旧姓使用の拡大というのは問題の先延ばしに過ぎず、やはり行政手続きや情報更新システムなどの面で抜本的な改革が必要かと思います。

例えば婚姻届を出して「改姓届」のようなものを出せば、住民票も免許証もパスポートも一括で更新されるようにするとか。民間資格などの場合は、結婚に伴う改姓の場合は更新手数料を取ってはいけないとか、更新手続きの簡略化に補助金を出すとか色々手段はあるでしょう。

現実的に世の中のほとんどの人は結婚すれば改姓するのだから、改姓の負担そのものを軽減するほうが圧倒的に国民に望まれている施策でしょう。
ここまでが、前回の記事までの議論でした。

不便不都合の解消手段としての夫婦別姓は強制を生み出しかねない

改姓に伴う不便不都合の解消手段として夫婦別姓を導入した場合、「夫婦別姓にしないなら不便不都合は許容しろ」という逆説を生み出します。

資格を必要とする職業や、論文や作品などの実績が評価される職業、まとめると「名前で仕事してる人」の場合、改姓すると大きな不都合があるというのはわかります。
しかしその不都合を解消する手段として夫婦別姓が導入されてしまうと、「ウチの業界でキャリア積みたいなら夫婦別姓にしろ」という空気が自動的に発生する事が予想されますよね。

これは「本当は夫婦別姓にしたくないけど、仕事のために夫婦別姓にせざるを得ない」という状況を生み出し、重大なハラスメントの可能性が危惧されます。
社会的にとてつもないデメリットと考えられ、「夫婦別姓にしたい人だけが選択するのだから、同性にしたい人には何も関係ない」というのは全くあり得ないのです。

それよりも、結婚して改姓したとしても、全く問題なく仕事できる環境を作ろうとは思わないのでしょうか?
システム的な対応などは大変かも知れませんが、そちらの方がはるかに多様性を受け入れる環境だと思いますが。

諸外国の状況はどうか

実際に夫婦別姓が認められている国では、上述のようなハラスメントは発生しているのでしょうか?
こういう事情はなかなかニュースとして報道されることは無いですし、一例を持ってすべての様に喧伝するのも良くないので、あくまで推測の域を出ません。

それでもデータから実情を推察する事は可能で、例えばアメリカでは以下のような記事がありました。

ニューヨークタイムズ紙の調査によると、夫の姓を選ぶ女性が67%と圧倒的に多く、別姓を選ぶ女性は僅か22%です。それでも近年は別姓を選ぶ人が増えているとのこと(70年代17%、90年代18%)。その他、両家の姓をハイフンで結ぶ女性が6%、その他が4%となっています。

総じて、年齢や学歴が高く、婚姻時に仕事上の地位がある女性、前の配偶者との間に子供がいる場合は別姓を選ぶことが多く、信仰はあまり関係がないようです。特に所得や学歴が高くなるほど別姓を選ぶ傾向が強く、年収15万ドル(1,800万円)以上になると40%、2万5千ドル(300万円)以下では13%の女性が別姓を選んでいます。博士課程保持者は最終学歴が学部卒以下の女性より別姓を選ぶ率が10倍高く、大学院卒は学部卒より3倍高いとのことです(Gretchen等)。
引用:Yahooニュース

学歴が高く高収入の女性ほど、結婚しても夫婦別姓を選ぶケースが多いとの事。これはやはり「仕事の為に姓を変えたくない」ケースが多い為と考えられます。
彼女たちが本当に望んで夫婦別姓=家族別姓にしているのなら良いですが、「本当は家族は同姓にしたかったけど、仕事のために仕方なく夫婦別姓にした」という女性は一人もいないんでしょうか?私にはそうは思えません。

ただしアメリカの場合は離婚率も非常に高く約半数の夫婦が離婚しますから、再婚などにより親と子どもの姓が異なるケースは全く珍しくありません。このため姓に対するこだわりが薄く、特に考えなく夫婦別姓にするケースも多いかと思います。

このへんはスウェーデンの事情とも似ていて、既に伝統的な家族の形が大きく変容しており、それを追認するような形で夫婦別姓が広まっていった可能性があります。日本の場合は夫婦別姓制度が家族の形を変容させる事が危惧されており、順序が逆なのかなと。

アメリカでもスウェーデンでも未成年犯罪の増加やドラッグの蔓延、シングルマザーの増加が深刻な社会問題となっており、必ずしも日本が見習って追従すべきような国ではない事も付け加えておきます。

夫婦別姓は選択性と言いながら選択できない危険性をはらむ

  • 夫婦別姓は不便不都合の解消にならない
  • 解消手段としての夫婦別姓導入は強制の危険をはらむ
  • 不便不都合そのものを解消するほうが多様性に寛容である

今回のまとめです。このように考えるようになったきっかけは、丸川珠代大臣へのバッシングにもありました。

Twitterでテキトーに検索しただけなので、この方がどなたなのか存じませんが、18万人もフォロワーがいるのでそれなりに影響力がある方でしょう。
丸川珠代さんも三原じゅん子さんも旧姓のままで何も問題なく仕事しているんだから、それで良いじゃないんですかね?蓮舫やアントニオ猪木を筆頭に、そもそも政治家は本名である必要がないし。

「選択性だから他の人には関係ない」と言いながら、いざ夫婦別姓が導入されたら「夫婦別姓にできるのに、あえてしないなら不便不都合に文句言うな」と攻撃的な自己責任論を振りかざしてきそうな感じがプンプンするんですよ。

このような危惧があるため、選択的であっても夫婦別姓には反対します。
夫婦別姓反対論でよく言われる、家族の絆うんぬんについては、また別の記事で考えてみたいと思っています。

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