ガソリン値上がりの理由に見る、地球温暖化の恐ろしい欺瞞

ガソリン値上がりの理由に見る、地球温暖化の恐ろしい欺瞞

ガソリンがリッター160円を突破して、2011年以来の高値だそうです。

このガソリン値上がりの理由についてはテレビでもっともらしい解説をしていますが、冷静に考えてみるとこの世界の恐ろしい欺瞞が見えてきます。

ガソリン値上がりが続いている理由

よく言われているのは、「世界的にコロナ禍が収束に向かい、原油需要が増してくる一方で、産油国が原油増産に前向きでないから」という理由。

正確に言えばコロナは各国で再拡大しており、ウイルス自体は収束していないと思いますが、それでも「もう気にしない」とコロナと共存する方針の国が増えてきたということでしょう。

問題は、なぜ原油増産がされないかです。

バイデンの増産要請をOPECプラスが拒否

アメリカのバイデン大統領は、止まらない原油価格の高騰を抑えるために産油国であるOPECプラス(中東の産油国+ロシア)に原油増産を要求しました。

しかしOPECプラスは、あえなくこれを拒否。
結果原油の供給不足は解消されず、ますます高騰に拍車がかかっています。

ガソリン値上げで大儲けしている勢力

そもそもバイデン大統領は、カナダの油田地帯とメキシコ湾岸の製油所を結ぶためアメリカを縦断する大規模なパイプライン計画「キーストーンXL」を就任早々に却下した大統領です。

その際の、カナダのトルドー首相の声明がこちら

カナダのトルドー首相は声明で、「気候変動との闘いへのバイデン大統領のコミットメントは歓迎するが、われわれは失望している」とコメント。その上で「環境汚染の抑制や気候変動対策、新型コロナウイルス感染症(COVID19)との闘い、中間層の雇用創出、全ての人々のための持続可能な景気回復の支援を通じたより良い復興の実現に向けてバイデン大統領と協力することを楽しみにしている」との意向を表明した。
引用:ブルームバーグ

傍から見れば爆笑ものの自己矛盾ですが、このキーストーンXL中止で食い扶持を失う人は数千人に登ると見られており、その方々からすれば噴飯ものでしょう。

だいたいアメリカがOPECプラスに原油増産の要請というのも、かなりおかしな話です。
アメリカは世界最大の産油国なのだから、自分で増産すればいいじゃないですか

バイデンは就任早々に、政府所有地での原油掘削を制限する措置を導入して、国内での原油生産を減少させています。

自分が署名した政策によって原油価格が高騰し、それで支持率が落ちて困るから、尻拭いを外国に頼んだって聞き入れられるはずが無いですよね。
(もっともバイデンは、署名したことを記憶しているのか怪しいですが)

むしろサウジやロシアは、嘘にまみれた温暖化対策に縛られたバイデンが勝手に自爆してくれた事で、ホクホク顔で「じゃあ値上げしたるわ」と言ってるのが現状でしょう。

コレに加えて、アメリカ国内の投資家たちも、原油高騰を望んでいるようです。

シェフィールド氏は、国内の原油生産を阻んでいるのは恐らくバイデン政権より投資家だと認めた。シェール生産業者は約10年で2000億ドル(約22兆7300億円)余りの資金を投じたが、それに見合う株主へのリターンがほぼなかったことから、投資家は経営陣に生産拡大の手を緩めるか停止するよう求めている。同氏は「投資家はわれわれにもはや成長を望んでいない」と語った。
引用:ブルームバーグ

要するに、投資家にとっては原油は株と同じなんです。
最初は原油会社に投資してみたけど、増産した分値下がりしたので儲けられなかった。
だからもう、減産して原油自体の値を釣り上げようとしてるんですね。

大金持ちの投資家にとっては、ガソリン価格なんていくら上がろうと痛くも痒くもないでしょう。
むしろ値上がりするほど自分の資産も増えるわけですから、グローバル金融資本の操り人形であるバイデンが大統領である限り、この原油高騰はしばらく続くと思われます。

本当はガソリン値下げはできるが絶対にしない日本の財務省

日本においては、ガソリン価格は「ガソリン税」という税金が上乗せされた値段になっています。
これは1970年代に全国に道路を整備するための「暫定財源」として、1リッターあたり25.1円の税金を課したもの。

暫定のはずがその後もずっと続けられ、1989年の消費税開始以降は、ガソリン税が上乗せされた価格にさらに消費税がかかるという二重課税が発生しています。

民主党政権下の2010年には、この暫定税率が「特例税率」と名を変えられ、ついに恒久的な財源に。
しかしこの時、「トリガー条項」と呼ばれる措置が設けられ、「ガソリンの全国平均価格が3ヶ月連続で160円を超えた場合はガソリン税を停止する」という決まりになっていました。

しかし翌年3月に東日本大震災が発生しため、復興財源の確保を名目にこのトリガー条項も暫定的に停止。
停止期間は「別に法律で定める日までの間」となっていますが、言うまでもなくそんな法律は未だに定められていません。

もしトリガー条項を発動してガソリン税を停止すれば、ガソリン価格は自動的にリッター25.1円下がることになりますが、こんなオイシイ財源を財務省が手放すはずがありません。

今後どれだけガソリン価格が上がっても、財務省の専横が続く限りはガソリン税が改められる見込みは極めて薄いでしょう。

地球温暖化を訴えるならガソリン値上がりは歓迎すべきでは?

日本でもガソリン値上げが連日ニュースになっていますが、アメリカの方がはるかに深刻な値上がりに直面しています。

米原油価格は6日に一時1バレル=76.98ドルを付け、2014年11月以来の水準に達した後、73.50ドル付近に戻った。全米自動車協会(AAA)によれば、原油に遅れて動くガソリン価格も1ガロン=3.13ドルに上昇。これはコロナ禍が猛威を振るっていた1年前の2.18ドルを大幅に上回る。
引用:CNN

ガソリン価格が1年で1.5倍にも上昇しており、これでは市民生活だけでなくアメリカのあらゆる産業に影響してくるでしょう。
これによりバイデン大統領の支持率急落にさらに拍車がかかり、OPECプラスへの増産要請に至ったわけです。

でも考えてみれば、COP26も開催されたタイミングで猫も杓子も「脱炭素」のなか、ガソリン価格が上がったところで何を憂うことがあるのでしょうか?
むしろこれを契機に、ガソリンからの脱却を進めようとでも言えば良いのではないでしょうか

一方では「脱炭素をすすめて温暖化を防ごう!」と言いながら、もう一方では「ガソリン上がってかなわんからもっと原油掘ってや~」と言う。
バイデン本人は重度の認知症なのでしょうがないですが、周りの人間達(多くの日本人を含む)がこの矛盾に見て見ぬ振りをしているのは、バイデンのボケを全く笑えないのでは?

せっかくお爺ちゃんがボケてくれてるんだから、しっかりツッコんであげるのが優しさというものでしょう。

温暖化の嘘に翻弄され続ける日本人

地球温暖化の欺瞞

COP26において、日本は未だに化石燃料からの脱却に消極的であるとして「化石賞」というありがたい賞を頂きました。

しかし世の中を見てみれば世界の国々も化石燃料に依存しており、嘘八百の温暖化なんかよりも、今日の食い扶持の方がはるかに重要なのです。

そもそも地球温暖化なんて言葉自体が、新たな投資先を作るための欺瞞なわけですが、悲しいことに日本でそれを理解している人が口を塞がれているのがな。

最近は石炭を親の敵のように叩いていますが、石炭は比較的どこの国でも取れるため資源の独占的利益を得られないんですよね。
石炭はダメとなれば残るは石油と天然ガスしかありませんから、これらを独占している国が儲けられるというだけです。

環境先進国(笑)のドイツも、ロシアから北海経由の天然ガスがパイプラインで届くようになってご満悦みたいですよ。

米国は、ノルドストリーム2建設を担うロシア船に対し制裁を発動。ノルドストリーム2の完成は遅れ、ドイツは反発した。だが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領が悪化させた欧州との関係修復に取り組むジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は今年5月、プロジェクトに関わるロシア政府系企業に対する制裁を解除。専門家はこの動きについて、中国の台頭をはじめとする他の課題に対するドイツの支持を取り付けるための和解策との見方を示している。
引用:AFP

もちろん省エネや環境を大切にするのは良いことなので、私は今日も自転車に乗るしゴミも減らすのですが、「脱炭素」なんてくだらない目標のためには1円たりとも投資しないし、そんな言葉を口に出す政治家には絶対投票しません。

情報弱者でいない為に

テレビや新聞などの主要メディアの言うことを真に受けていると、人生の多くを損します。
最近ではネットニュースもほとんど主要メディアと言っていい状態にあるため、情報を精査するのが大変ですね。

ある程度信頼できる専門家の情報を自らキャッチしにいき、それも鵜呑みにせず引っかかるところがあれば自分で精査する。
正しい情報がなければ、人間らしい暮らしも奪われてしまい兼ねません。

私の場合は、国際政治学者・藤井厳喜さんのワールドフォーキャストをよく参考にしています。

今は情報にお金を払う時代です。
またこういうものにお金を払ってビジネスとして盛り上げることで、ひいては主要メディアの力を相対的に弱め、日本の世論を変えていけると私は思っています。

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プロフィール

tetsuya

tetsuya

1984年神奈川県生まれ

一条工務店でマイホーム作りをスタート!
スキューバダイビング、カメラ、登山、スノーボードなどアウトドアマンでもあります。

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